一般記事
国土交通省は2015年度の実用化をめざして、超小型モビリティーの車検制度を始めとした諸制度整備を進める方針を示した。環境性能に優れ、1〜2人乗りで価格・維持費が手ごろ、地域の移動の足になるコンパクトな自動車に対して、社会的ニーズは高く、早い段階での普及を進める。
超小型モビリティーは、知事連合による「高齢者に優しい自動車開発委員会」が今春まとめた車両規格案がベースとなる。混合交通の中でスムーズな加速性能を確保するため、モーターの出力は10〜20kWと、軽自動車ベースの電気自動車、三菱「アイ・ミーブ」の半分程度。その一方で、車両安全の確保のために車検制度は導入する。
道路交通車両法の視点では、車検制度のない排気量50cc以上の原動機付自転車(原付バイク)以上、軽自動車以下、という位置付けだ。一方で、警察庁が所管する道路交通法での位置付けがまだ見えない。
超小型モビリティー、電動カーだからCO2排出削減に効果があるし、高齢化社会でのニーズは高い。もちろん技術的に可能だ。しかし、今の混合交通の現実で、居場所はどこにあるのだろうか。地球環境によい自転車で車でさえ、人と自動車の間でさえ場所の確保が難しい。都市部を中心に道路インフラを充実しないと、超小型モビリティーが走るスペースを探すのは容易ではなさそうだ。
【DANN編集長】
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トヨタ自動車と日産自動車が国内の自動車生産能力を削減する。トヨタは2014年に現在の10%強にあたる年間50万台分のトヨタ車の国内生産能力を減らす。一方、日産は7月にグループの国内生産能力の15%にあたる年間20万台分の量産ラインを休止する。予測される国内新車需要の低迷に合わせて生産体制の再構築を進めると同時に円高に対応した海外生産シフトを図ることが目的だ。
削減後の2014年のトヨタの国内生産能力は年間310万台、豊田章男社長が公約する国内生産300万台体制は維持できる。50万台分の生産能力削減は、工場閉鎖ではなく量産ラインの集約や縮小などで実施する。生産を委託する子会社も対象となる模様だ。国内の生産能力を削減するのに対して中国の生産能力は増強する。
一方、日産が休止する量産ラインは、同社の主力工場である追浜工場(神奈川県横須賀市)の量産ライン2本のちの1本。休止するラインで取り組んでいる小型車生産は、日産自動車九州やタイ工場に移管する。これにより日産グループの国内自動車生産能力は、現在の年間135万台から年間115万台へと縮小するが、カルロス・ゴーン社長が約束した国内生産100万台は維持する。また休止したラインは廃棄せず、主に新興国で新型車生産を開始する前に準備を行う試作ラインとして活用する。
生産能力の削減は空洞化につながるが、自動車メーカーの経営としては織り込み済み。高齢化が進展し、生産年齢人口が縮小している国内市場の回復は見込めないからだ。ただ恐れていることは技術の空洞化、自動車産業が優秀なエンジニアから見放された産業になると、ものづくりの根本が空洞化する。
【DANN編集長】
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LPG(液化石油ガス)自動車の保有台数が、今年2月末で25万台を割り込んだことが、LPGオートガス業界のまとめでわかった。2012年3月末現在で24万7830台、前年3月末に比べて3.3%減だった。全LPG自動車保有の80%を超えるタクシー車両が、タクシー業界が進めるタクシー車両の減車政策で削られている影響が大きいという。LPGタクシーの保有は20万4176台、1年前に比べて3.4%減だった。
ただ統計は登録車をベースとしたもので、7000台ほどある軽のLPG自動車、ガソリンとLPGのバイフューエル車などが含まれていない。ガソリン・LPGのバイフューエル車は1万台弱走っていると見られ、同業界は「軽自動車、バイフューエル車を入れると25万台プラス1万5000台」とし、7月までにバイフューエル車を含めたLPG自動車の実数を公表したいとしている。
世界的にみるとLPG自動車は拡大基調にあるそうで、日本で普及しない原因は「タクシー車両に普及を頼り過ぎていたこと」と業界関係者の1人は語る。構造基準の見直しや欧州規制との調和を図り、LPG自動車の技術革新を進めることでマイカーとしての一般普及を進める取り組みを強化する方向だ。
しかし、現実は厳しそうだ。トヨタ自動車がLPGタクシーから撤退すると報道されている。LPGオートガス業界も「尻に火が付いた」感がある。
【DANN編集長】
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小規模な中古車販売店が苦境に立たされている。帝国データバンク(TDB)のまとめで、5月に中古車販売店の倒産件数が急増したことがわかった。中古車販売店の5月倒産件数は17件(前年同月5件)で4月の8件に対して倍以上だった。他の自動車流通関連業種の倒産件数は、新車小売業が3件(同 4件)、自動車卸売業が1件(同 3件)、一般整備業が3件(同 8件)、車体整備業が2件(同 0件)となっており、中古車小売業の17件は自動車流通関連で突出している。
倒産した中古車販売店のすべてが小規模な販売店。TDBではエコカー補助金の効果で消費者の目が新車に集中して中古車の販売に影響を与えていることが、小規模な中古車販売店の倒産件数を増やしている要因のひとつとみている。
この他、2009年に実施された前回のエコカー補助金で採用された「スクラップインセンティブ」の結果、多数の上級セダンが廃車になったり、昨年は昨年で下取り車が東日本大震災の被災地に送られたりしたことで、総体的なタマ不足状態であることの影響も大きい。小規模中古車販売店の倒産件数増加は6月上旬までの集計結果でも続いており、TDBはこの傾向がしばらく続くと考えている。
ちなみに5月の全業種の倒産件数(負債額1000万円以上)は内需関連業種を中心に増加して1013件(前年同月964件)。4月の884件を上回り、3カ月ぶりに前年超となった。内需関連の中でも小規模中古車販売店はさらに厳しい状況にある。
【DANN編集長】
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輸出中古車から高い放射能汚染が発見された問題で、関係省庁は早急に対策を徹底したい意向だが、肝心の中古車業界の動きは緩慢だ。中古車販売関係の全国組織、JU中販連は対応を各支部の判断に委ねている状態で、北海道の各JU、JU福島など一部で線量計を導入したにとどまっている。
対策が進まない理由のひとつは、中古車の放射能汚染に対する国の基準がないことだ。唯一、港湾業界が自主基準を設け、線量の高い中古車は取り扱わないとしている。値は国の除染目安に近い0.3マイクロシーベルト/時。基準を超えた輸出用中古車が、全国主要13港で昨年8月から今年4月までの間に7137台見つかったなどと報じられている。
見つかったといっても、年間100万台オーダーの輸出中古車に対してその数は1%に満たない。国内流通で線量に関する基準がなく、線量計配備も進んでいないために汚染された中古車の発見が少ないだけかもしれないが、絶対的なボリュームの少なさも対策が進まない理由のひとつになる。
確率の低いものに手間や無駄な費用はかけたくないし、仮に配備した線量計で汚染中古車を発見したとして、中古車全部が汚染されているような風評被害が心配という本音も見え隠れする。多くの中古車が集まる全国のオートオークション会場に線量計配備が進めばとは思うのだが、現時点で消費者の自主防衛しか手の打ちようはない。
【DANN編集長】
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電気自動車(EV)の市場創出を後押しする国の補助制度が不要となるのは、ガソリン車との価格差が50万円以内に縮小し、EV新車販売規模が年間10〜15万台に成長することが条件―。行政事業レビュー、いわゆる「国丸ごと仕分け」で経済産業省が明らかにした。早ければ2015年にこのタイミングが到来する、と同省は見込んでいる。
始まった行政事業レビューでクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金制度が取り上げられた。EVを含む次世代自動車の普及に向けた補助制度だが、外部有識者による評価者は、ほぼ全員が「抜本的改善が必要」と評価した。同導入促進対策費補助金の対象車がエコカー減税・補助金の対象車と重複していること、補助額がエコカー補助金よりも高額であることを問題視した。
これに対して経産省は、かついて導入促進対策費補助の対象だったハイブリッド車(HV)の例を示して補助制度の効果と必要性を説明。EVの年間新車販売台数は2010年度に登録車が約4500台、軽自動車が約2600台で1万台にも届いていないものの、早ければ2015年にはEVの販売価格が低下し、年間10万台超の市場規模へと急成長することが見込まれる、などと反論した。
実際のところはどうか。今後、トヨタ、ホンダが参入すれば、先行する日産、三菱と市場の食い合いが見込まれ、3年後にEVが年間10万台超の市場規模へと急成長するは思えない。また実現すればたちまち電力需給の問題が浮上、原発再稼働でのバックアップが不可欠になる。
【DANN編集長】
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TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加を希望する日本政府とって、自動車問題がひとつの壁になっている。米国側が軽自動車制度を含む税制問題やメーカーが独自の販売網を持つ流通構造などの6項目をあげて「自動車分野の市場開放は不十分」とし、交渉への参加を拒んでいるためだ。
この問題、政府も、日本自動車工業会も1980年代から90年代の日米自動車交渉を通じて解決済みと思っていたのだが、米国側は未だに不十分としており、双方の認識は大きく食い違う。突き詰めると、その発端はささいなことにあるようだ。
例えば、年間2000台以下の少量輸入販売車に適用されるPHP(輸入自動車特別取扱)制度がある。この制度、米政府の要望により適用された制度で、安全・環境にかかわる自動車の国内認証手続きが簡素化されるのだが、実際に制度を利用しようとすると、認証の窓口機関(独立行政法人交通安全環境研究所自動車審査部)が立ちふさがり、輸入担当者は相当なストレスがたまるらしいのだ。
窓口機関に悪意があるわけではないだろう。必要な書類、データを要求しているだけかもしれないが、輸入業者にとって負担が大きく、スピードを欠く。こうした現場の積もり積もった不満が米政府に上り、交渉材料で提示されているようだ。
結局、江戸のカタキを長崎で討たれる格好で、TPP交渉担当者は何が何だかよくわからない。日本の行政組織そのものが機能不全を起こしている。
【DANN編集長】
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ブリヂストンと味の素は、100%植物由来の原料を用いたタイヤの共同開発を進める、と発表した。味の素がバイオマスから発酵技術で新しいゴム原料(発酵イソプレン)をつくり、それを原料にブリヂストンが重合触媒技術で合成ゴム(ポリイソプレン)を製造する。合成ゴムは合成ゴムでも原油から生成したものでなく、植物を原料とした合成ゴムができあがり、これによりタイヤは100%植物由来となる。
両社は2013年6月に事業化するかどうかを判断し、2015年に試験的な事業を始める。本格的に植物由来タイヤの製造を開始するのは2020年頃となる見通しという。
タイヤ製造には原油由来の合成ゴムと植物由来の天然ゴムの両方を使用する。このうち天然ゴムはタイヤ原料の6割を占め、「パラゴムノキ」が主な植物原料となっている。原材料供給源の多様化するため、ブリヂストンは「ロシアタンポポ」や「グアユール」などの新たな植物を資源とする研究開発に取り組んでいる。同時に枯渇が予測される原油を原料にする合成ゴムについても代替資源を模索、昨年6月に味の素と共同で植物資源の利用可能性を探る研究開発に着手した。
実用化に成功すれば、近い将来、100%植物原料のタイヤが誕生する。両社の共同研究は温暖化ガス排出量削減の観点からも期待され、味の素がタイヤの主要原材料メーカーとなる可能性も秘めている。
【DANN編集長】
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東日本大震災にともなう津波に巻き込まれて生還できた人は、最後の段階でやはり「幸運=ラッキー」が味方した。石巻専修大学理工学部の山本憲一教授らのグループが、津波被害の状況をまとめるために生還者たちへヒヤリングを実施し、そうした調査報告をまとめた。
それによると、粛清性向上への要求などから密閉性が進み、最近の自動車は津波に巻き込まれてもかなりの時間浮くことが可能な構造になっている。その間、生きようと思いたって行動に出たのは、単独で車に乗っている人より、夫婦など2人で乗っていた人たちの方が早かったという。
また、窓ガラスを壊す道具があるとか、窓ガラスがたまたま壊れていたなど、流された車から外に抜け出せる手段があったことも重要。だがそれ以上に、最後には津波に巻き込まれた車がどのような場所についたかがカギになるそうで、無事生還できた人たちは、家の近くに流れ着いたとか、助けを呼べる場所に着いたとか、最終的に幸運が味方した。
あるいは「幸運を呼ぶために長く浮いている」ということになるのだろうか。備えていてもやはり「幸運」に巡り合うことが大規模災害で生死を分ける。
【DANN編集長】
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