2011年度第4次補正予算が8日、国会を通過して成立、エコカー補助金のスタートが決まった。
政府・与党は、補正予算案策定時に補助金の交付対象を昨年12月20日以降の登録・届出までさかのぼることを決めていたが、その一方で、国会審議がスムーズに通過できるよう自動車業界に対してはあたかも決まったような宣伝広告を自粛するよう求めていた。それでも、1月の新車登録市場が前年同月比40.7%増に膨れ上がるなど、補助金期待よる需要喚起効果が現れている。
スタートする補助金の予算は総額3000億円、新車購入1台に付き乗用車は10万円、軽自動車は7万円を補助する。政府は交付台数を乗用車換算300万台、交付期間を1年間と想定しているものの、需要の掘り起こしが進めば、早ければ9月にも予算額に達してしまい交付終了となる見込みだ。年後半の新車販売は尻しぼみになる可能性も高いのだ。
また、今回の補助金は、前回の補助金に設定された車齢13年超の廃車を必要とする条件、いわゆる「スクラップインセンティブ」は見送られた。中古車業界は低価格の中古車のオートオークション(AA)流通台数が増加するとみている。一方で、スクラップ価格が低迷しているため、輸送費・手数料を考えるとAAに出すよりは解体業者に引き渡す方が利ザヤを稼げると考える新車・中古車販売店、整備業者も出てきた。
各業種の思惑は交錯する。いずれしても補助金は一時のものだが、新車・中古車の流通に与えるインパクトは大きいことも確か。結局のところ、エコカー補助金でひと息つけても、自動車販売関連業種の業況は厳しいことに変わりない。
【DANN編集長】
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