NEDO(新エネルギー・産業技術総合研究開発機構)は、ドイツの燃料電池・水素ナショナルプロジェクトの研究開発マネジメントに取り組んでいる水素・燃料電池機構(Nationale Organisation Wasserstoff− und Brennstoffzellentechnologie Gmbh.)と情報交換に関わる覚書を締結することになった。
NEDOは経済産業省管轄の独立行政法人で、燃料電池に関わる研究開発国家プロジェクトの取りまとめを行っている。世界標準の確立で各国が競い合っているこの研究分野で、情報交換のレベルではあるものの、日・独が手を結ぶ。調印は16日の日曜日、エッセンで行われる第18回世界水素エネルギー会議(WHEC2010 )の場を予定、NEDOは前宣伝の記者発表を行ったが、集まった記者は少なかった。
日本では家庭用燃料電池が商業化され、燃料電池自動車の分野では2015年に普及開始し、2025年には本格普及を目指すとする燃料電池自動車の普及シナリオが燃料電池推進協議会から示されてもいる。この分野の先端を自負するからこそ、記者発表に集まった記者の数に主催者側は「覚書締結の重要性がわからない」と不満げだ。だが、燃料電池自動車は技術的な大きな壁にぶつかっており、自動車開発の立場では、自動車として実現しても本格普及は2025年ではとても無理、との見方をする人が主流だ。
一方で、日本国内は電気自動車で沸いている。「年間50万台規模で補助金なしで販売できる」などの日産・ゴーン社長の発言も飛び出している。とりあえず燃料電池自動車は棚上げし、同じ夢でも実現可能性の高い電気自動車にマスコミは関心を寄せだしたようだ。
【DANN編集長】
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