その4:自動車メーカー
自動車メーカーの出展も年々拡大してきた。チューニングやカスタマイズといったカーアフターマーケットの専門メーカーは、資本力に押され気味だ。自動車メーカーがそこまで踏み込まなくともよいと思うが、日本人的気質がなせる業だろう。自動車メーカーとしての力を示すため、頂点に立って末端まで垂直的に統合し、開発、生産・販売からモータースポーツまですべてを管理したがるように思える。それではカスタムペイントのような芸術的発想はじめ、クルマの楽しみや面白みが生まれル余地は少ないと思う。実際、メーカーによる汎用カスタマイズで、単なるモーターショーの延長的展示を行っているケースもあり、主催者は楽だろうが、来場者からはブーイングがあってもいい。
『ホンダブース』
ちょうどホンダにブースでプレゼンテーションが始まったところに出くわした。ステージを注目する人はまばらだった。ホンダといえば、こうしたショーでは必ず人だかりができており、これほど閑散としたブースの場面にあまり出くわした記憶がない。ストリーム、フィットなどのミニバンカスタマイズには、あまり興味をもたれなくなったのか。西ホールに展示されていた英国製の「シビック5ドアスポーツ」の方が注目されていた。(写真:ホンダブース)
『コルト・スピード』
三菱自動車の「コンセプト−X」みたいな展示は、少々反則だろう。「アイ」もデザインが斬新で完成度が高いため、さらにコンセプトを充実させたとしても、なにやら二番煎じの心象は免れない。そうした思いで見ていたら、関連するコルト・スピードのブースに「ランサーエボリューション」のラリー専用車を展示されていた。本格的なライトその他に「ウォーッ」といってのぞき込む来場者も多かった。 (写真:コルト・スピード)
『SWIFT sport X』
毎年、出来がよいと思うのが、スズキのブース。「スイフト」の3ドアをベースにエアロとガルウイングに加えて、さらにオーディオカスタマイズしたショーモデルの「スイフト スポーツX」ははじけていた。同社のデザイナーは普段、同社トップの横暴に抑圧されているから、機会があればこれだけはじけてしまうのかもしれない。しかし、こういうものの展示がなければ、自動車メーカーがオートサロンに出展する意味がないと思うが、いかがだろう。発売された新型「セルボ」のスポーツスタイルも醍醐味があった。 (写真:SWIFT sport X)
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