6月1日から駐車違反の取り締まりが強化され、民間の駐車監視員による取り締まりも始まった。駐車監視員による取り締まりは、取り締まりを委託した警察署ごとに重点的に取り締まる地域、道路、時間帯を示した通称「ガイドライン」が示されているが、いずれにしても人が集まる繁華街が中心で、5分以上運転者が車から離れていると直ちに駐車違反となり、配達など業務で支障をきたすケースも出ているようだ。
また新制度では反取り締まりの民間委託とともに、駐車違反をした運転者が出頭しない場合、取り締まられた車の使用者(車検証の使用者欄の記載者)に責任が転嫁され、反則金相当の「放置違反金」を納付することが命ぜられる。平たく言えば、これまで駐車違反をしても、反則金を納めないドライバーがけっこういたから、確実に反則金を徴収するために制度上把握できている車の使用者に責任を押し付けた。「放置違反金」が未納だと、車検証がもらえず検手続きが完了しないという足枷(あしかせ)も付いてくる。
ただし、駐車違反のステッカー(確認標章と呼ぶ)が貼られてからすぐに車検が通らなくなるわけではない。車検がアウトになるまで、違反した翌日から最短で80日間の猶予期間はあるのだ。つまり違反した運転者が未出頭の場合、まず車両の使用者に「弁明通知書・納付書」が送付され、次に「放置違反納付命令書」が送付される。それでも払い込みがないと、「督促状」を送付するという段階を踏むからだ。そして督促状の納付期限が過ぎた時点で、車検は通らなくなる。その間が最短で80日、当然、手続きがスムーズに行われたことが前提で、猶予期間は若干伸びる可能性もある。
6月1日に取り締まられた車両なら、今年の8月19日までに車検を受けるのであれば、車検拒否にはならないという手続き上の理屈である。
こうした駐車違反の取り締まり強化に不満もあるし、納得できないことも多い。今回の改正は反則金にしろ、放置違反金にしろ、とにかく罰金を納めさせればよいという制度になっている。例えば、駐車違反の取り締まりを受け、「私がやりました」と素直に名乗り出て交通違反の反則金で支払うと、同時に免許の点数も引かれてしまう。少し様子を見て、放置違反金の納付命令書が送られてきてから支払うと、お金だけで済み、免許の点数は引かれないのだ。「?」と、考えさせられる制度でもある。
【バス狂】
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