一般記事
環境をキーワードに「エコタイヤ」の人気が広がっている。環境に優しいタイヤは、走行騒音の静かなものもあれば、転がり抵抗を小さくし燃費向上に効果的なタイヤもある。昨年のようなガソリン価格の高騰を背景にすれば、やはり省エネタイヤが注目のまとになる。「新エコタイヤ」と呼ばれるタイプは、その主原料も非石油系の天然ゴムとなり、減原材料と走行時の省エネ効果の2面でCO2排出量削減を達成する。
タイヤの原材料は、ゴムの木から採取する「天然ゴム」と石油系素材の「合成ゴム」ので、それらを混合して作っている。走行スピードの速くなるのにともなって、タイヤのグリップ力が重視され、現在のタイヤ製品のほとんどが石油系素材の合成ゴムを主原料に製造されている。
一方、天然ゴムは、転がり抵抗を減らすことが可能な素材だ。天然ゴムの使用比率を高めれば、転がり抵抗が低減し、その結果、燃費がよくなる。ただし、グリップ力の低下を別の素材でカバーしなくてはならない。バランスが問題なのだが、原材料に石油系の合成ゴムの使用比率を抑制できれば、タイヤの原材料から地球温暖化に効果的で、なおかつ自動車の燃費向上にもつながるわけだ。
いち早くそうしたエコタイヤを開発したのが住友ゴム工業で、昨年3月から「エナセーブ」問い商品名で売り出している。天然ゴムなどの非石油系材料の使用比率を40%から70%までに引き上げた。転がり抵抗も30%低減した。現在、非石油系素材の使用比率を97%にまで高めた新製品を来年の春夏用タイヤで投入すると、宣言した。
これに続いて、横浜ゴムが非石油系資源の使用比率を80%にまで高めた新エコタイヤを今夏に投入する。もちろん燃費性能も向上している。
背景には原油価格の高騰がある。原油価格の高騰は、合成ゴムに頼っていたタイヤメーカーの収益にも影響し、改善のために石油系素材の使用比率を下げる必要があった。新エコタイヤを購入する側も、ガソリン代を減らしたいと思っている。原油価格によるダメージは、家庭もタイヤメーカーもどうやら同じだったようだ。
【バス狂】
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