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 一般記事一覧-2011年06月の記事- 
「日産」というブランドが課題にならないか
足して「2」で割った「新高速バス」でバスサービスの魅力も半減
全車両が装着しても役に立たない経路誘導システム
ハイブリッドが売れて自動車分野もガラパゴス化懸念
日本の自動車関連技術を世界標準に
バス会社も休日シフトの対応を検討
自動車産業行政に意欲満々の国土交通省
政策的に霞んでしまった燃料の多様化
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一般記事

 「日産」というブランドが課題にならないか

 日産自動車は、2016年度までに世界市場でシェアを8%に引き上げ、営業売上高利益率で8%を達成することを目標にした新しい中期経営計画「日産パワー88(エイティエイト)」(2011〜2016年度)を発表した。

 中期経営計画は2016年度の世界市場を9000万台以上と想定、日産単独で700万台以上を販売してシェア目標達成をめざす。商品戦略として、期間中に世界市場でグローバルに新型車51車種を投入、統廃合の結果、計画終了時には現在より2車種増えて66車種をそろえる。

 課題となるのは、プレミア市場でのブランド立て直しとともに、中国や自動車販売の拡大が見込めるインドをはじめとした新興国市場での日産車販売の拡大だ。ゴーン社長は、「われわれは市場ごとにソリューションを考えており、市場ごとに(新型車)投入の仕方も変える」とインタビューで答えていた。

 それぞれの市場に対応した車種の投入ということだが、市場が世界に広がるだけに根本的な「日産」ブランドの影がますます薄くはならないか。  最近の日産車ってどんな車かと言われれば、すぐに思い浮かぶのが電気自動車「リーフ」だが、所詮EVの世界。他社との提携をいとわないゴーン社長の経営手法も、世界市場にマッチはするが、ますます「日産」というブランドを軽くする。

【DANN編集長】

 足して「2」で割った「新高速バス」でバスサービスの魅力も半減

 競争が激化した高速バスサービスをどうするかを検討してきた国土交通省の「バス事業のあり方検討会」が、「新高速バス制度」を創設する方針を打ち出した。バスの専門ジャーナリストは「バスによる夜間の長距離移動という新規市場を掘り起こしてきた高速ツアーバスのサービスは次第に消えさる運命にある」と指摘する。

 新高速バスは、大手のバス会社が運行する「高速路線バス」と貸切バスによる「高速ツアーバス」を足して2で割ったようなものなのだ。高速ツアーバスは2002年に実施したバス事業の規制緩和で登場、「貸切」が基本だから利用者がいなければ運行しないし、停留所を確保する必要もない。固定費がかからない分、料金は安いが、利用客を奪われた思った高速路線バス側(=大手事業者側)が、主要駅周辺の道路脇で乗客を乗降させるなど安全性に問題あり、とクレームを付けていた。これが今回の議論のスタートになった。

 今後登場する新高速バスは、利用者の安全のために主要駅周辺での乗降には停留所の利用を義務付ける。高速ツーバス事業者に新高速バス事業の許可取得を求めることになるのだが、大都市の主要駅周辺の停留所スペースは限定的で、高速ツアーバスの全事業者が新高速バスに移行できるわけではないらしい。

 一方、ツアーバスの対極にある高速路線バスに向かっては「柔軟な価格設定」と言うものの、めざしているのは幅を持たせた下限運賃。同時に下請けを使うことも認めるので、安全性も万全とは言い難い。足して「2」で割る役所的判断は、消費者にとっての魅力を薄くする。

【DANN編集長】

 全車両が装着しても役に立たない経路誘導システム

 経路誘導システム装備の最適率は全車両の37%だそうだ。全車両を交通状況のリアルタイム情報をもとに空いている道路へと経路誘導しても、今度は空いている道路に自動車が集中して新たな渋滞が発生することになるという。この最適率のデータは、日産自動車が北京市で取り組んでいる実験をもとにしたシミュレーション結果として明らかにした。

 日産は2006年から北京市交通情報センター(BTIC)と連携し、北京市内の交通渋滞・環境改善を目的とした新交通情報システムの開発を進めている。この一環で2008年に北京モーターショーで、BTICが配信しているリアルタイム交通情報をFM多重で受診し、渋滞回避ルートする案内する「STAR WINGSナビ」の商品化を発表した。

 北京市では自動車保有の拡大とともに道路整備が進み、骨格道路として5本の環状道路と7本の放射道路が整備されている。北京市の自動車保有台数は急伸し、昨年12月で480万台弱。その80%が一番外側を走る環状道路「六環路」の内側、つまり北京の都市部に集中しており、慢性的な交通渋滞状況にある。

 その解決を図るのが日産の「STAR WINGSナビ」だ。交通状況のリアルタイムデータの提供を受けて経路選択すると、目的地までの旅行時間は18%短縮でき、CO2排出も日量で28%削減できるというシミュレーション結果が出ている。ただし端末の普及率は3割以上4割未満。恩恵を授かる特権は保有車両全体の3分の1程度に限られてしまうことが面白い。

【DANN編集長】

 ハイブリッドが売れて自動車分野もガラパゴス化懸念

 ハイブリッド車が日本国内で大人気だ。トヨタ自動車の「プリウスα」は5月13日の発売後、1カ月間の受注台数が5万2千台を超え(目標月販3千台)、現時点で納車は1年待ち。ホンダが6月16日に発売したコンパクトワゴン「フィットシャトル」も事前に受注したうちの85%がハイブリッド車だった。

 ハイブリッド車人気は乗用車に留まらず、日野自動車は小型トラック新型「デュトロ」(7月2日発売)で、ハイブリッド車比率を前モデルの1割弱から3割超に引き上げる。「先進国でのハイブリッド車販売を総販売台数の50%以上にしたい」とのトップの強気の発言も飛び出している。

 何といっても燃費性能が良いことがハイブリッド車の魅力で、JC08モードで「フィットシャトル」でリッター当たり25q。新型「デュトロ」のハイブリッド車は実燃費を旧型車に比べて50%アップしたという。燃料価格が高止まりしている折、ユーザーが燃費性能を重視するのは当然のことになる。

 しかし世界市場を見ると、エンジンに加えてモーター・電池を備えることはあまり合理的でないと思われている。資源的にも無駄遣いで、欧米や新興国では基本的に「燃費性能向上はエンジン燃焼の改善で」と開発を進める。日本でこの方向性で商品化を進め、勝負しているのはマツダだけ。日本のエコカー開発は独自の道を進め出しており、自動車分野の「ガラパゴス化」が気になり始めてきた。

【DANN編集長】

 日本の自動車関連技術を世界標準に

 国際的な基準認証・国際標準の作成に日本が積極的にかかわって、普及技術で日本を有利にしようとする動きが活発化している。自動車分野では国土交通省だけでなく、経済産業省も「基準認証イノベーション技術研究協同組合(イノテック)」を今年1月に設置し、国際標準作成をバックアップする。

 同組合が自動車関連で取り組んでいるのは、組合独自で取り組むスマートグリッドとDME自動車分野。スマートグリッドは、NDEOを中心に技術開発を促進し、開発した技術の国際標準作成を同組合でリードしようという重厚な取り組みになっている。

 一方、DMEに関しては、アジア基準認証という枠組みでいすゞ中央研究所などとタイアップし、「次世代自動車用バイオDME事業」として取り組み始めた。DME自動車の技術開発は現段階で日本が先行している分野で、実績をベースに燃料品質規格や供給機器類で世界標準を作ることをめざしている。DME自動車が日本で普及するまでにはしばらく時間がかかりそうだが、将来、中国・アジアでDME自動車の導入が進んだ時、日本基準のために優位になるという算段だ。

 確かにDME自動車は現段階で日本優位の技術領域だが、一方で韓国がDME関連の技術開発に前向きだ。うかうかしていると、世界標準は作ったものの製品普及は韓国が先になる。そうした事態も十分考えられる。

【DANN編集長】

 バス会社も休日シフトの対応を検討

 自動車メーカー各社が電力使用量抑制の節電対策で7〜9月の3カ月間、土・日曜日を出勤とし木・金曜日を休日へと、勤務体制をシフトしたことで、バス会社が対応に追われている。工場地帯と住宅地が重なる神奈川県で路線バスを運行する神奈川中央交通は、シフト対策のために営業所長を各工場に出向かせてバス利用実態のヒヤリングを行っている。

 神奈川県には日産、いすゞの工場その他の拠点があり、関連部品メーカーも点在する。バス事業者は通常、土日は平日と別ダイヤを組んでおり、運行するバス本数は少ない。主要工業の休日の変更に合わせて、期間中は土日を平日ダイヤにして木金を休日ダイヤに変更したいところだが、シフト変更は不可能なようだ。

 その理由は「全業種で木金休みでないので…」(神奈中)という単純なものだ。期間中の対応として、土日のラッシュ時簡に本数を増やす方向で検討している。「経営的には厳しいが、サービス業としては仕方がない」とあきらめる。

 日本自動車工業会の志賀俊之会長は、休日シフトについて節電対策だけでなく一般家庭の熱射病対策はじめ、「必ず社会に貢献できるはず」と述べたと伝えられている。なるほど社会貢献につながるのかもしれないが、バス事業者以外にもしわ寄せがでる可能性は高そうだ。

【DANN編集長】

 自動車産業行政に意欲満々の国土交通省

 国土交通省が自動車産業行政で主導権を取ろうとしている。民主党への政権移行後、国土交通省の自動車行政は、自動車産業をバックアップする姿勢を明確にしている。その柱となるのが、国際的な自動車基準認証の統一化での動きだ。「自動車基準認証国際化ハイレベル会議」を開催し、自動車産業を後押しする戦略論議を進めている。

 排ガスの測定方法や安全基準など自動車基準認証を国際的に統一し、各国・地域間の相互認証につなげる仕組みを作る動きは、国連・欧州経済委員会の下部機関「WP29」(自動車基準調和世界フォーラム)で話し合われている。ここでの議論を日本がリードし、とくに電気自動車、ハイブリッド車の世界基準をについて日本の基準に合わせようとしているほか、燃費測定時の走行パターン作成でも国土交通省が主導して積極的に関わり、議論をリードしようとしている。

 面白いのは、こうした国連での議論が中国やインドといった将来の自動車大国を巻き込んで進んでいることだ。日本の基準が世界標準となれば、日本の自動車メーカーは先進国へも、新興国へも日本で開発した車で勝負することができ、当然、負担は軽くなる。

 かねてより自動車産業行政をめぐって経済産業省と対立してきた国土交通省、民主党による「政治主導の政策実現」の流れに乗って、これまで深入りできなかった産業行政に手を突っ込もうとしているわけだ。もちろん経産省も黙っているわけでなく、電気自動車とITSで相手を引き離そうとする。国民不在の省益争いにならないことを祈りたい。

【DANN編集長】

 政策的に霞んでしまった燃料の多様化

 エンジン・燃焼関係を中心にした多くの自動車エンジニアは、日本の自動車産業にとって「燃料の多様化」は重要テーマと考えているが、国家的レベルで自動車政策が語られるとき、多様化は霞んでしまい、副次的テーマに格下げされている。

 燃料の多様化というと、エタノール、BDFといったバイオ燃料が思い浮かぶが、世界では天然ガスもあればLPガスも自動車燃料に使われているし、さらにはDMEなどの新燃料もある。世界市場に日本車を売り込むためには、それら多様な燃料に対応して効率的なエンジンを搭載することが重要なのだが、日本の中では話題にならず、研究開発への支援も薄くなっている。

 今年のモーターショーで予定する企画展「スマート・モビリティ・シティ2011」も「燃料の多様化」はテーマのひとつに上げているが、実際の出展は電気自動車とITS関係が中心。天然ガスの関係は出展を見送り、LPガス関連のみ出展する状態では、多様化は御飾の題目にすぎないと言える。

 ガス燃料は、これまでさんざん技術開発が取り組まれてきたからもう良い、との判断もあるのだろう。しかし今後の自動車産業の競争は新興国や途上国市場に移る。それらの市場では、電気がメーンになることはない。ガソリン、軽油の効率利用に加えてガス燃料の効率利用、すなわち燃料の多様化への対応が必要になってくるのだ。

【DANN編集長】
 
 
 
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