首都圏最大手観光バス事業者のはとバスは、観光スポットに応じたタイムリーな都内観光ガイドを4カ国語で同時に行う新ガイドシステムを導入した。4カ国語ガイドは、訪日外国人旅行者の増加に対応したもので、NTTデータが開発した「ツアートレーサ・バーチャルガイドシステム」を搭載、実現した。
ツアートレーサー・バーチャルガイドシステムは、GPS(全地球位置把握システム)を利用し、バスの走行地点に応じた観光案内を行うものだ。日本語、または英語の1カ国語対応は広島、岡山の観光バス事業者が導入しているが、4カ国語対応は初めて。はとバスは、英語、中国語、韓国語およびスペイン語でガイドする
はとバスによると、訪日外国人旅行者は、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を政府が打ち出して以降、年々増えており、06年は前年比9.0%増の733万4千人だった。国籍別に見ると、1位が韓国で次いで台湾、米国、中国、香港となり、中国語圏が247万人にあまり、韓国語圏が211万人あまりになる。また英語圏からの訪日旅行者は171万人あまりで、中国語圏、韓国語圏に対応したガイドが求められている。
また、はとバス定期観光バスの利用者では、スペイン語圏の利用者が多いそうで、マルリンガル・ガイドシステムにスペイン語を加えたそうだ。この4カ国語で06年の外国人旅行者ベースで見ると、86%をカバーする。ガイドが始まると、車内の液晶ディスプレイにガイドする内容が画像で表示、ヘッドホンから流れる4カ国語の音声ナレーションで観光案内を受ける。GPSにより位置を測り、ガイドが始まるため、ディスプレイにはタイムリーな画像が映し出される。
サービスの開始は今年10月から。設定コースは、ハローキティの2階建てバスで行く「湾岸ここイチ」など東京駅丸の内南口出発の日本語案内コース4コース。東京・浜松町ターミナルから出発する「パノラミック東京」など英語案内コース3コース。英語案内コースでは、英語の代わりに日本語の音声ナレーションが流れる。システムは7コースを走る計7台のバスに装備されている。
日本のビジネス範囲が英語圏から広がったことで、企業接待で多様な言語圏の人間をいっぺんに東京案内することも増えている。とくに中国語圏は今後利用増が見込めることもあり、はとバスは日本を舞台に対中ビジネスの拡大を目指しているようだ。
【バス狂】
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